ベテランSEにもなると、若手のSEの教育を任されることもあるでしょう。企業内で若手のSEを指導するにあたっては、一人ひとりの実務経験やスキル、過去の成果物など重要なポイントを確認したうえで、業務研修や日々の作業の合間に丁寧に教育を行うことが大切です。たとえば、文系出身者やSEのキャリアが浅い人に対しては、研修の際に個別のプログラムを作成したり、プログラミングやアルゴリズムなど業務に必要な知識や技術を分かりやすく説明したりすることが肝心です。なおこのとき、自信なさげに教えていては若手はついてきません。若手を育てる上で、自分に自信を持つことも重要です。若手の育成が初めてならば、こうした育成者の心得を学んでおくことをおすすめします。

理想的な指導の方法について学ぶために、中堅やベテランのSEを対象とした講習会やセミナーに参加をするのも有効です。若手のSEの育成に力を注いでいる企業の中には、教育を担当する先輩のSEに対して様々な面でサポートを行ったり、必要な研修を受けられるようにセッティングしているところも少なくありません。業務未経験のSEの指導を任された場合には、基本的なスキルを習得できるまでに長い時間が掛かったり、上手くコミュニケーションが取れなかったりすることもあるため、こまめに職場の上司や同僚に相談をしてどのような研修の方法が良いのか検討をすることも大事です。

なお、情報処理技術者の資格取得を希望する若手のSEに対しては、仕事上で役立つ資格の勉強法についてアドバイスを行ったり、終業後に学習に関する悩み相談に乗ったりする必要もあります。その他、時間に余裕があれば、同業他社で行われている若手のSEの研修の事例についても参考にしましょう。